1月23日(火)のMoonlight Club in 長寿庵 上映に向けて

1作目「Moonlight Club」の2024年の初回上映が1月9日に満員御礼で終了した。本当にありがとう。シリーズ3作を順番に上映していく「はひふのか曜日」。次回は2作目となる「Moonlight Club in 長寿庵」が1月23日(火)に上映となる。少し作品のことを振り返ってみようと思う。

コロナで世界が停止してしまった2020年に、なんとか1作目を作り上げた僕らは、2021年にAFFという芸術への助成金で2作目の製作に入ることにした。1作目で、完成までにどのようなことが問題になるかを学んだこともあって、撮影に入る前に、かなりしっかり撮影と編集の流れをイメージしてスタッフを集め、日程を組み立てていった。
作品の内容のことは監督が中心にイメージを進めるわけで、僕はもっぱら撮影場所の確保、スタッフの確保が仕事だった。
古い付き合いの東映映画関係者をあたり、気がつけばものすごく贅沢な「福山組」が編成されることになった。
スタートの段階から、監督は「1作目は据え置きのカメラでの撮影が中心だったので、今回はカメラを動かす撮影方法をふんだんに使いたい」と言っていて、前回とはまた違う撮影になるんだろうなと思っていた。
元々、僕らはワンシチュエーションコメディーで1時間の舞台をやっていたのだが、結果的に、2作目は、1時間のワンシチュエーションコメディーを演じ切る3人をカメラが動いて映像にしていく、というような手法になったと思う。舞台だと一方向からしか見えないシーンもカメラが動いてくれることで、役者が見ている景色をお客さんも見れるといった感じになり、これはこれで映画的なものに仕上がったと思う。まして、客席があるわけではないので、360度全てから映像をおさえられる。舞台と映画は随分違うものだ。
ロケーションはセットの立て込みが理想だと最初から監督は言っていたのだが、何しろお金がかかる。そんな時、知り合いの喫茶店が移転するというニュースが舞い込んだ。チタチタ喫茶。実は元々千成食堂だった場所を居抜きでおしゃれなカフェにしていたのだが、建物の取り壊しが決まったというのだ。「蕎麦屋のセットを作らずとも蕎麦屋的な場所!」もうこれは交渉するしかない。1ヶ月の時間その店を貸切にすることを承諾してもらった。
そんなわけで、しゅん子とひろ美が、外に出て、親友のサチエの蕎麦屋にやってくるという今までにないワンシチュエーションでの映画撮影が実現することになった。
映画の舞台となった長寿庵(チタチタ喫茶)は、撮影終了とともに取り壊された。まるで僕らのセットだったかのように。不思議な出会いだった。エンディングでは移転したチタチタ喫茶を3人が訪ねている。

セットでの稽古が夜な夜な行われて、クランクイン。とても幸せな撮影だった。動くカメラ、360度嘘のないセット。そして変わらない3人の関係と馬鹿馬鹿しい会話。
お節介なしゅん子とひろ美のありがた迷惑なさっちゃんへの友情をぜひ楽しんで欲しいなと思う。

1月23日(火)の19時から十三シアターセブンで上映です。
チケット発売は7日前から。
https://www.theater-seven.com/mv/mv_s0700.html

心からお待ちしています!
パート1、2、3のシーンをランダムに使った予告編がこちら。