2024年9月23日(月)、久しぶりに京都のライブハウス磔磔(たくたく)でワンマンライブが行われる。
高校2年生の夏、ボーカルとして誘ってもらった同級生バンドで、磔磔に出演した。それは僕にとって初めてのライブだった。
それより遡ること数か月、塾の先生だったベッキーに連れられて、演劇を観たのが、僕と磔磔の出会いだった。ベッキーは演劇の勉強を大学でしている留学生で舞台女優。表現について英語でディスカッションするような授業をしてくれる、ちょっと変わった先生だった。磔磔は僕にとってかなり刺激的な場所だった。演目は前衛的なお芝居だったのだが、その空間が強烈にかっこいいと思った。
そんなこともあって、バンドに誘われたとき、迷わずに磔磔に出たいとメンバーに伝えたのだ。最高のミュージシャンが演奏してきた磔磔の歴史を詳しく知っていたら、そんなに簡単に自分が出演するイメージを持てなかったかもしれない。
そんな訳で、怖いもの知らずで飛び込んだ磔磔でのライブは超満員の大成功に終わった。高校の友達たちがわんさか集まってくれたのだ。コピー曲を5曲、30分の演奏だったけれど、イントロのドラムが響いた瞬間から、最後の曲のエンディングまで、しびれっぱなしだった。一生ステージの上にいたいと思った。音楽につかまってしまった夜だった。
それから、僕は「ミュージシャン」になりたいという自分の思いとずっと付き合ってきた。磔磔はその思いを後押ししてくれる大事な場所だ。
大学を卒業して、バンドが解散。バンドがなくなっても音楽を続けるためには、一人きりでギターをもってライブをしなければと、初めての弾き語りライブをしたのも磔磔。京都町内会バンドでインディーズデビューをして、京都の拠点として最初に選んだのも磔磔だ。
そして、いま、磔磔でのライブが決まった。いろいろと模索する中で、新しいメンバーでバンドサウンドで、磔磔をやってみることになった。コロナ以降模索してきた自分の音楽を形にする時が来ているのだと感じている。
「アンコール」というアルバムで取り組んだ、この40年の間に作ってきた曲たちを今の自分が歌うこと、自分の思いだけでなく、客観的な意見を入れながら、チームで原田博行をプロデュースしてみること。そのことの意味が今回のライブで伝えられる予感がする。
ベースにずっと支えてくれているありちゃんこと有田さとこ。ギターに「アンコール」のアレンジを担当し、今回もバンドアレンジを担ってくれている福島明彦。ドラムに今回初めて一緒にやらせてもらう横地祐知。
最高のメンバーで、シンプルにでも大胆に、いいライブをします!
という訳で、心からお待ちしています!